筒井町の山車祭り


東区筒井町には、江戸時代に名古屋の三大祭りで曳かれた山車が残っており、名古屋の山車祭り文化を今日まで受け継いできました。

天王祭では、山車が町内を巡って家々の無病息災を祈り、人形からくり、人形囃子、力持ちなどを披露していきます。

六月第一日曜日には、東区の徳川園にて筒井町と出来町の山車が出会い、技の競演が繰り広げられます。

伝統的なからくり人形が披露され、いっそう人の目を惹きつけます。

神皇車 

~jinnkousha~

 

神皇車は、文政元年(1818)三之丸天王天王社の見舞車として造られ、明治20年筒井町が譲り受けました。屋根、高欄部分が朱色に塗られ、水引幕は白地、大幕が青地と彩りが鮮やかな山車です。

 

 水引幕には、十二支の豪華な刺繍があしらわれています。その下絵は江戸時代後期の名古屋土佐の画家である森高雅始め、山本梅逸、渡辺清等の郷土の画家により描かれた、貴重なものとなっています。

 

 神皇車のからくりは、神功皇后が三韓の戦におもむく際、海上に龍神が現れて金玉を海上に投げ、波が静まったという故事に基づいた内容を演じます。特に、舞を踊った巫女が鬼面をかぶり錦の衣装に早かわりをし龍神に変身し煙に包まれる様はとても迫力があり圧巻です。

 

神皇車保存会 会長 野崎 清孝


湯取車  

~yutoriguruma~

 

 湯取車は、万治元年(1658)の制作で江戸時代における名古屋を代表する最大の山車祭であった東照宮祭礼車を、同町が新車を造ったので、天保2年(1831)に当時の情妙寺前(現在の筒井町四丁目)へ譲られ現在に至っており、現存する名古屋の山車では、最も古い歴史を持っています。

 

 湯取車のからくりは、湯取神事を行う様を演じます。

神子が湯立てを行う際、白い紙吹雪を湯気の象徴として釜より吹き上げる仕掛けがなされ、前棚に人形が2体あるのも名古屋の山車ではめずらしいものとされております。

 

 高欄などの彫刻も紅葉や龍、金箔で施した見事な 出来で、唐破風の屋根も金箔塗りの格天井となって

                       います。

 

元老 伊藤 剛二 記